仁のバイトが終わるまで後10分。
あたしは、さっきから時計を見っ放し。
時間になったら、あたしは店を出る。
仁は奥へと消えて行く。
そして、お店の裏で待ち合わせ。
これが、いつもの定番なんだけど。
後10分が、いつも長いっ!
時計を見直しても、まだ1分すら経ってなくて。
何故か、おしぼりでテーブルを拭いてみたりと訳のわからない行動を取ってしまう。
やっと時間になり仁に視線を向けると、
あたしに気付き時計を見上げる。
そして、もう一度あたしを見て優しく微笑む。
この笑顔に毎回キュンってしてしまう。
席を立ったあたしがドアへと向かうと店内からは
「ありがとうございました」
の声が響く。

