すきって言わせて





そっと上を向くと
先輩はゆっくりと手を降ろしていて

暗い生徒会室が少し明るく見えた




「ほんと、二人とも不器用すぎるんだよ」


小さく笑っている先輩に
今度は私もぎこちなく笑い返した

ほんと、先輩には敵わないよ


「橋野先輩…」

「ん?」

「…ありがとうございます」



その手のひらの温もりも優しさも全部が大好きで、
ずっと追いかけてきた憧れの人
特別な想いとは違ったけど、それでも
大切な存在には変わりない


ありがとう、先輩

心からそう思った



「なんだか照れるな…」

先輩は頭をかきむしって困った顔をしていた