すきって言わせて



ホコリっぽい資料室で
資料をかき集めては棚に戻し
年代順にまとめる

これは時間かかるなぁ…

だいたい二人だけじゃ
終わりそうにもない量だもんね

その大量の資料を目の前にしたら
誰だってやる気無くなるんじゃなかろうか…

そのまま手を止めて
ちらりと横に目をやると
歩が窓を開けて風に当たっていた


さ、サボってるし


「歩もやりなよー」

「んー…」



んー、じゃなくて!


「もう!歩が自分から言い出したんでしょ!」


と言っても窓辺から動く気配すらなくて
近くのプリントを鷲掴みにして

歩の方へと近寄って行った


「はい。これやって」

歩の顔の横でバサッと音を立てて渡してみたけど
見向きもしない感じだ

もう。なんなのよ、


「ねぇ、あゆ…」

「言ったよね?」


口を開くと言葉を遮られた