すきって言わせて



「じゃあ、手伝ってもらおうかな」

「へ…?」

ぽかーんとした顔の私を見て
よりいっそう笑みを浮かべた歩は

また腕を引っ張りだして
階段をかけ上がった



「ちょっ、歩!」


なんなのよー!

また説明も無しに勝手に決めちゃってるし、

先にどんどん前へ行く歩に
また付いて行くしかなくて


その小さな背中に悪態をつきそうになった





すると、あっという間に目的地に着いたみたいで

足を止めた歩は

目の前の扉をがらっと開けていた