「ため息ばっかりついたら幸せ逃げ……あ!!」



そこまで言って固まるららちゃん



「ん?なに?」

「…噂をすればさっそく来ましたね」


口を押さえてふふっと笑うららちゃんは私の後ろを指差した

そこには走っている小さな男の子


「華帆ー!」

「あ、歩…!?」


なんで、2年生の教室まで来るなんて今までなかったのにー!

廊下をぱたぱたと走る音はどんどん近づいてきて
あっという間に私達の教室の扉まで来ていた




「なに?あの子ー可愛いーっ!」

「1年生でしょあの子、確か生徒会長の…」


ひそひそと聞こえる声は
どれも歩のことばかりでそれに気付かない歩は
平気な顔で教室へと足を踏み入れていた