黄金の午下がり 


私はお姉さんと二人で川辺にピクニックに来ていた。

柔らかい日差しが注ぎ、空にいくつか浮いている雲がどこかへ流れていく。

穏やかな風は頬を撫で、爽やかな草のにおいを届けてくれた。

アリスは持ってきていたサンドウィッチを詰めたバスケットの中から、一切れ取り出し少々お行儀が悪いが寝そべったまま、口元にそれを運んだどこまでも青い空が気持ちいい、そんな

癒しの空間。

でも・・・


アリス 「はぁ・・・・」


この日何度目かの大きなため息をついた。


アリス「くそっ・・・退屈だわ・・・」


隣に座っていたお姉様をちらりと見てみると、何時の間にやら突然現れ相席しているお友達と楽しげに談笑していた。


お姉様 「・・・・・だから私は何時も願ってるの!いつか私には黒くて長い高級車に乗った御曹司が札束を抱えて迎えに来てくれるって!」

お友達  「そうよね!今時白馬の王子様だなんて古いわ!花束なんて貰っても枯れちゃうだけですもの!」

お姉様&お友達「やっぱり人の心まで買えるゲンナマ(現金生)よねぇ~~~!!!!!!」(ハモリ)


その二人の瞳には確実にお金のマークが入っていただろう。

その光景を、


アリス 「はぁ・・・よくもまぁあんな話題で長々とおしゃべり出来るわね・・・」


荒んだ目でお姉さんを見る。


アリス「とても13歳の会話とは思えない・・・私にはよく分からないわ。それは私が子供なのだから。」


そういうアリスも子供を全面に押し出しているあたり、10歳の台詞には聞こえない。


アリス「あぁ~あ。もっと楽しい、デタラメな事はおきないかしら!」


大きく手足を伸ばし芝生にごろりと寝転ぶ。

鳥の鳴く声、風が草を撫でる音、川のせせらぎ・・・・・・・・・・・・そしてお姉様達の長々と続く下世話な話!!!

次第にイライラし始め、こんなことを考え始める。