飲み過ぎたみたいだ。


ズキズキと脈打つ頭を上に向け、夜空を見上げる。
暗く沈み、明かり一つない夜空。


救いのない闇。


捕われてしまいそうな空から目を背け、膝を立てる。
腕時計で時刻を確認した。


まだ、間に合う。


相変わらずしっかりとしない足取りを、何とか目的の方向に向け歩みだす。


自分だけの月明かりを求めて。