「行くぞー」
朝からダルそうな幼馴染み、宮古和也(みやこかずや)の声があたしの家に響く。
「わー!ちょっと待って!」
あたしは、朝が弱い極普通の女子、原田理央(はらだりお)。
「また寝坊ですかぃ」これまた幼馴染みの、ハイテンション馬鹿、武藤雅紀(むとうまさき)。
「なっ…、雅紀に言われたくないし!」
3人とも、それなりに楽しい日々を送っている、相沢高校2年生の幼馴染み同士。
「お待たせ!」
「ほんとにな」
あたしも、この関係は嫌いじゃなかった。
だけど…
「お前、馬路彼氏とかつくんねーんだな」
と、毎日のように言われる。
あたしだって…ほしくないわけじゃないけど…
「そーゆー和也は、彼女作りすぎー!」
あたしが好きなのは…
「まだ理央には早いんじゃない?」クスクス
「笑うなーっ!」
「まぁまぁ、こいつが子どもなのは今に始まって事じゃねーしな」
「うっさい和也!」
和也なのに…