3月14日。

先週無事俺は高校を卒業した。
世間で名の知れた二流大学にも進学が決まった。

でもなんだろう。

体の一部をどこかに置いてきたみたいだ。

初雪のあの日

俺は病院で冷たくなったナギサと再会を果たした。

18歳の若さでガンを発症したナギサの頬はやせこけ、胸まであったストレートの髪は抜け落ちていた。

でもナギサはすごく綺麗だった。

俺は鳴咽が止まらなかった。

ナギサの家族の前で俺は自分でも信じられないくらい声を出して泣いた。

一生分の涙を流した。

何度も何度も自分を責めた。

何度も。

何度も。


ナギサはホントに死んだんだ。


今俺はナギサの告別式に来ている。

ナギサが死んで一ヶ月が経ったが、告別式はナギサの両親の希望で卒業式の後に延期されていた。

献花台には無邪気に笑うナギサの顔。

どうかな俺のスーツ姿。

ホントは大学の入学式で初めて着るつもりだったんだケドさ。

似合わねぇよな。

わかってるよ。

告別式には100人以上がナギサのために集まった。

お前こんなにたくさんの人から愛されてたのな。

ちょっと妬くよ。