多分次ナギサが俺の後ろで泣き始めたら…
俺は今まで越えなかったラインを越えてしまう気がする。

それはダメだ。
ナギサと俺はこのままの距離でいなきゃいけない。


24日。
雪でも降りそうな寒い夜。
パーティーのメンツはだいたい女。
男はウチの学校で人気のある男子が数名。
人選がヨウヘイらしい企画。
俺完全な場違い。
始まって30分とたたないうちに空気に溶け込めず外に出た。
タバコに火をつける。

ナギサは今何してるかな。

『あ、不良発見』

ヨウヘイも外へ出て来た。
主催者は残らなきゃダメだろ。

『みんなもう出来上がってるから大丈夫っしょ♪』

ヨウヘイもタバコに火をつける。
二人でカラオケ店の前にしゃがみ込んだ。

『ナギサちゃんとはもう付き合ってるんでしょ?』

俺はまたそれかと思った。
いや…と一言。
沈黙。

『案外純情なんだね。結構遊んでそうな顔してんのに。』

お前には負ける。

『会いに行けば?』

いや連絡先知らんし。
ヨウヘイはちょっと驚いた顔をした。

『わかった。ちょい待ってな♪』

タバコの火を消してヨウヘイはまた店内へ。