…ビビった。
マジでビビった。

多分日本の総理大臣のAサンが『実は私…女です。』とか今言ってもそんなにビビんないくらいビビった。

だって俺の席に昨日の彼女が座ってる。

『ちゃんと来ましたね』

と、いたずらに笑うと彼女は自分の席に戻った。
1番前の1番右の席。

まいった…
同じクラス。
知らなかった。
可能性は1500分の1?
バカ。
100%じゃねぇか。
はい俺最低。

俺はこのクラスの半分以上の奴の名前を知らない。
理由は俺の歳が理由で少なからず周りは俺を敬遠してるから。
少しでも周りに気を使わせないように自分からは絡まないようにしてる。
中には怖いもの知らずのヨウヘイやアキラみたいな奴はいるが。

アイハラ ナギサ

それが彼女の名前。
なるほどアイウエオ順だと問答無用であの席なワケか。

いつもは熟睡タイムの俺は後ろの黒板から引っぺがしたクラス名簿を眺めながらずっと昨日のコトを思い出していた。