リリは都に帰り、木の陰で休んでいた。木の下で誰かが騒いでいた。リク「僕の大事な絵を返して!」ナル「嫌だね!君が僕と一緒に画家を目指すならこの絵を返していいけど?」リク「僕の夢は、画家なんかじゃない!お母さんを癒やす絵を書きたいだけなんだ!」ナル「じゃぁ、この絵は預かる。リクくんが画家になると言うまで返さない!」リク「そんな…。」ナル「いい返事を期待してる!」ナルは絵を持ち去った。リリ「あんなに大切なら力ずくで奪い返せばいいんじゃないのかニャ?」リクを上を見た。リク「猫が喋ってる。驚きだ!」リリ「あの絵には何が書かれてるのかニャ?」リク「あの絵は、死んだお父さんの満面な笑みが描かれているんだ。お父さんが亡くなってお母さんは病気になって心も暗くなって…。僕は悲しんでるお母さんの顔見たくなくて、一年かけて、やっと今日、お父さんの絵が完成したのに。出来上がって眺めていたら、芸能マネージャーのナルに取られてさっきの会話に…。あの絵はお母さんを笑顔にする、たった1つの絵なんだ!」リリは降りてきた。リリ「協力してあげるニャ。」ナル「ありがとう。猫さん。」リリ「マネージャーは芸能事務所に居るなら潜入しないといけない。リクくん、嘘でいいから画家になるって電話してくれないかニャ?」リク「わかった。」リクはナルに電話をかけた。ナル「もしもし?」リク「リクです。」ナル「リクくんか、返事をもらえるのかな?」リク「はい。僕、画家になります。」ナル「ありがとう。さっそく事務所に来てくれないか?」リク「はい。分かりました。」そう言って切った。リリ「私を籠に入れて一緒に連れて行って。」リク「うん、なんか不安だよ…。」リリ「大丈夫だから、心配する事ないよ!」リク「猫さんに任せる。」リクは夢の為に、嘘で画家になると言った。