「…大丈夫だから。」

陸の優しい声。

「ジュリアは…死なないから。
病気だって治るかもしれないだろ?」

「あたしの病気はっ…治ら…ないっ…
心臓…移植しか…ないのっ…」

これが現実。

まだ移植の順番がこないだけ。

その間に…死ぬかもしれない。

「ジュリア…顔あげて?」

うつむきながら泣いてるあたしに言った。

言われた通りに顔をあげる。

「移植したら…治るんだろ?それまで…
死ぬとか考えんなよ…」

陸の顔が歪む。

陸…泣いてる?

「俺、ジュリアがいないなんて考えられねぇ…」

陸の気持ちが伝わってくる。

「あたしも…陸と会えなくなるなんて…嫌。」

「ジュリア…」

「陸…」

そっとキスをした。

ーーーーー神様…

あたしたちに…時間をください…

ずっと笑ってられる時間を…