菜野花は慌てて 部屋に戻って、 ジーンズに長Tシャツを着て、パーカを羽織る。 少し寒いが目が冴えて、 頭が働く。 寒気はそのせいだとして、 レッスンルームに入った。 「自由曲から……」 柊荘司のその言葉に、 小さく頷いて鍵盤に触れた。