「紗枝は?誕生日いつ?」 「あたしはねー、3月5日だよ」 「じゃ、その日今から空けとけよ」 「…うん!空けとく!」 郁の誕生日も、クリスマスも、あたしの誕生日も。 一緒にお祝いしようね? 一緒にすごそうね? 何ヶ月も先のことがこんなにも楽しみなのは、いつぶりだろう。 その日は家に帰っても考えるのはそのことばかりだった。