部屋の中に入っても、お母さんは怒らなかった。 「紗枝、郁くんと一緒だったの?」 「うん…」 嘘ついちゃった…。 「それならそうと早く言ってくれればよかったのに〜。郁くんなら安心して紗枝を預けられるもの」 お母さん、ごめんなさい。 それからお風呂に入って自分の部屋に来た。 携帯の郁の番号を開いて、にらめっこ中。 もうけっこう夜遅くなっちゃった。 けど、郁にお礼言わなきゃ…。