次の瞬間――。 え…? 「い、く…?」 「そんな過去なんて忘れるくらいに俺が紗枝を愛してやるから…」 ギュッと抱きしめられた。 暖かい…。 「もうあんなこと忘れたいよ…。郁が忘れさせて…」 あたしもギュッと郁を抱きしめ返した。 そのままあたしちはベッドに倒れこんだ。 何度も郁の名前を呼んだ。 郁は何度も答えてくれた。 郁の好きがいっぱい伝わった気がした。