「俺…璃紗が昔好きだったんだ…。それで、ある日璃紗が苛められてるのを見て助けようと思ってたんだ…。だけど、その日の休み時間に同級生から呼び出されて行ったんだ。そんで頭らしき奴に言われたんだ。"お前璃紗の事嫌いつってたよな?俺等先輩に呼び出されて行かなきゃならないからやっといて"
そう言われて俺は、璃紗の元に行って苛めたんだよ…」
『はぁ?てか…』
「黙って聞いてくれ」
『つ…』
「俺だってやりたくなかった…。だけどやらなければ璃紗が余計にやられるって思って…」
零汰は、その場で泣き崩れ始めた。
あたし達は、黙って零汰を見つめている事しか出来なかった。
いま、もしもあたしが余計な事を言ってしまったら、間違いなく零汰は何も出来なくなってしまう。
だから…
あたしは敢えて余計な事は言わない…。

