あれは、
どういう意味だろう…。



「守ってやりたくなる理由……。」
自分で言ってみて、
私は真っ赤に染まる。


やばい、やばい…。
あの男になんでこんなに心かき乱されてんのよ。

「あーもー!!」

今日はまだ弟も帰ってきてなくて、家に1人なのをいいことに思いきり叫んだ。



あの後、高嶺悟は

『送る。』

一言つぶやいて、
私の鞄を持って立ち上がった。


いつもみたいに
言い合いをしたり…
なんか笑い合ったり…。

そんなことはなく。


私は高嶺悟の大きな後ろ姿を見ながら、ゆっくり歩いた。