「ふんっ。当たり前だろ。 教科書なくして困らないやつなんて居ねぇよ。」 良かった。 この男、非情だけど意外と常識力を持ち合わせていた。 「なら…」 目を輝かせて手を伸ばす。 すると、また教科書は遠くに。 「ちょっと!」 高嶺悟が無駄にデカいせいでどんなに手を伸ばしても、届かない。 …くそっ。 「ちょ、なに?返してよ!」 苛立ちを込めて睨む私に 高嶺悟はクスリと笑う。 「じゃあさ。 言うこと聞けよ?」 「ひぃえっ…」 マズい。 言うこと聞けよ… って、まずい!!