それも、嫌だし。 お袋が 茉莉子のこと好きすぎるのも嫌だし。 だけど、 一番厄介なのは……。 「茉莉子、 親父のことシカトしろよ?」 「え?うん。」 親父だ。 お袋が撮った茉莉子の写真を見て いつも喜んでいる。 「…はぁ。」 「悟?」 「いや。 なんでもない。」 繋いだ手の力を強めると 茉莉子は嬉しそうに笑った。