最低男に恋をして。




なんて穏やかなんだろう…。
なんて可愛いんだろう…。

いろんなことに心から感動していると、
私の手元を見ていた茉莉子ちゃんの目線が私の斜め後ろに移った。


「っげ…」

一気に顔をしかめた茉莉子ちゃんに、私もその視線を辿り……

「っげ!!」

同じリアクションを繰り返す。



「っげ…ってなんだよ」

ニヤリと笑ったのは、
あの!!
高嶺悟と書いて女の敵っ!!


鋭い眼差しを向ける私には全く目もくれず、茉莉子ちゃんに近寄っていく。

つまり、私にも近づいている。



「なんで居るの…?」

声を潜めた茉莉子ちゃん。


って!!
冷静に分析してる場合じゃなくてっ!!

この極悪最低人間から
茉莉子ちゃんを守らないとっ!!