最低男に恋をして。




「よっしゃ。」

まず訪れたのは、茉莉子ちゃんのバイト先。

噂によれば、
今日はバイトの日。

恐る恐る店内に入ると、

「いらっしゃいませ…
っあ!ミサトちゃん?」

少し遠くにあるカウンターから
茉莉子ちゃんが"私に!"手を振った。



なんて素晴らしい…。

たった一度しか同じクラスになれなかったのに、そんな私を覚えててくれるなんて…。


ミサト、感激です。




「どうしたの?塾帰り?」

カウンターを挟んで
憧れの茉莉子ちゃんと会話。


あぁ、なんだか夢みたい。



「あ、まぁ、
そ、そんなとこ、です…」

しどろもどろで答える私に
茉莉子ちゃんがにっこり笑って
「そっか」と、一言。