最低男に恋をして。




「っあ…ちょ…
ぃや…だ…め……」

深くなるキスに、
遠くなる意識。


このまま流されてしまいそうになるけど、ここは健全な学校でしかもお昼休み。



「…さ、と……」

理性を奮い立たせて、
思い切り押し返すと慶が優しくほほえんで私をみていた。



「茉莉子、好きだよ」

「っえ?」

私の右手をそっと拾い上げて薬指を撫でた。


―ドキン――

ねぇ、悟。
左手でも良いんだよ?

他の人には、
あげる気はないんだよ?

悟にだから、あげたいんだよ。