「っあ、悟先輩だぁ」

誰かの声に、伏せていた顔を上げた。

付き合うようになってもう2ヶ月ちょっと。

特に大きな問題もなく、
なんだかんだラブラブ。

なんだけど。
いまだに、彼のすべてが私をドキドキさせる。

まだ、慣れない。

だから…こんな瞬間も、
彼の姿を見つければ……


あら?
居ない…?






「っふん。嘘よ、嘘。」

ニタニタ笑う加奈子。

くそ、騙された。


ムスッとして、
加奈子の肩を殴る。

「ごめんね~、
手が当たっちゃった。」

「…あんた…幼稚」

「加奈子の方が幼稚じゃない」

「なに言ってんのよ、
私の方が体も心も発達してるっつうの。」

「ほー、その体でよく言うわ」

くだらない言い合いも、最近じゃ日常茶飯事。