「バカ。」 「っえ?」 「これから7時間、浴衣で過ごすつもり? 見てる方が苦しいったらありゃしない。」 「で、でも… いても立っても居られなくて…」 「だからって…」 眉をひそめて何か言おうとした加奈子と同時に鳴った携帯。 「誰だろ…」 ゆっくり手を伸ばすと…… 「た、た、た、高嶺悟!!」 それは高嶺悟からの電話で、 あたふたしすぎて全く出れずに居る。 「早くでなさいよ、 切れるわよ?」 「う、うん…」 真っ赤な顔と震える声に手は落ち着きそうも無いけど とりあえず電話に出た。