朝の日光にせかされるように、ケンジは目を覚まし顔をしかめた。



顔を上げたケンジは、痛む腰を押さえながら伸びをした。


どうやら机に突っ伏したまま眠ってしまったようだ。



ケンジはぼんやりと、机の上に置かれたノートを見つめた。



このノートは、自分にとって、あまりにも重過ぎる。


裕美の思いを、全て受け止めることなど出来そうにない。



重苦しい気持ちで、ケンジは裕美の日記が書かれたノートを手に取った。



ケンジは沈んだ目で、ゆっくりとかわいらしい文字で書かれた日記を追った。


その一文字一文字が限りなくいとおしく、そして切ない。



そして、やがてケンジの目は最後のページで止まった。




その寝不足で窪んだ目は、大きく見開かれた。