「お母さんをおいてはいけないの。」


再び謝罪をする裕美にケンジは大きく首を振ると、ガードレールから立ち上がって、裕美を力いっぱい抱き寄せた。



彼女の苦しさを理解してあげられなかった自分が情けなかった。



彼女の優しさがケンジには痛すぎた。