「お金なら大丈夫よ。」

裕美はそう言うと、ケンジを安心させるかのように、ニコリと笑った。


ケンジは自分の内心を見すかされたような気がして恥じた。



「明日から、受験勉強しなきゃね。野球ばかりで、勉強してなかったでしょ。一緒にやろ。」

そう言って微笑む裕美の肩を、ケンジは抱き寄せた。



その光景を、仲間たち四人は、堤防に並んで腰を下ろしてニヤニヤしながら見つめていた。




あの、熱い夏はもう帰らない。