ケンジはそう書き終えると、シャープペンシルを目の前の座席テーブルに置き、静かにノートを閉じた。


窓の外では、新緑に覆われた空港の周りの風景が、ゆっくりと動き始めていた。



ケンジは、静かに目を閉じた。



まもなく北国の短い夏は終わり、この街にも寒い冬がやってくるであろう。



そして、ケンジは思う。


きっと今年の冬、自分はこの街に帰ってくるであろうと。



気がつくと、ケンジを乗せた飛行機は滑走路に到着していた。



やがて、飛行機は徐々にその速度を上げはじめた。


そして、そのタイヤは滑走路を離れ、その機体は青く澄み渡った夏の空へ消えていった。



その機体の後に力強く残る、真っ白な飛行機雲は、とてつもなく美しかった。                                     













了、最後まで読んでくれた皆様に、感謝を込めて。