いつも裕美と一緒だった彼女は、同じく小柄であったこともあり、姉妹みたいだった。


おとなしい奈央にとって、いつも隣で明るく笑っていた裕美がいないことは、言葉にできないほどの喪失感であろう。



「貝取りでもしようか。」

モデルのようにすらりとした香澄は、優しく奈央に話しかけた。


大人びた彼女は、まるで二人の姉のようであった。



裕美の家庭は、小さい頃に父親をなくしており、残された母親が一人で八百屋をきりもりしていた。

裕美はよくその仕事を手伝った。


そして貧しい家庭のたしになればと、みんなで海に来たときも、よく貝をとっていた。

ケンジたちも、よく手伝ったものだ。