大学に入ってすぐに部活を辞めてしまったケンジの体は、自分でも驚くほどに衰えていた。


あの頃プロ入りを夢見た、鍛え抜いたケンジの体ではもうなくなっていた。



そんなケンジの姿を、室内練習場の窓から、土門はじっと見つめていた。



高校時代、共に夢見た仲間だからこそ、土門にはケンジの気持ちが痛いほど理解できる。




土門は苦しむケンジの向こうに見えるバックネットに目を移した。


土門は、冬のあの日のことを思い出していた。