その後の試験は、本気で頑張った。
受験票を拾ってくれた彼と、同じ高校に入りたかったから。
元々桜花学園高校は私の第一志望でもあったんだけどね。
めでたく桜花学園高校に合格して、この春、入学。
彼を見つけたのは、本当にすぐ、入学式の日。
入学式が終わって、新しくクラスになった教室を後にして、帰り際。
「「優くーん!!♪♪」」
遠くで女の子達の声が聞こえて、聞こえた方へ向くと‥
そこに、あの時受験票を拾ってくれた彼がいた。
相変わらず天使のような笑顔に、私はまた見とれてた。
それからすぐ、"学園の王子"のことを耳にして、あの彼がその"学園の王子"だと知った。
当然のように、"学園の王子"は"夏川優"と名前も知ることが出来たけれど、いつも女の子に囲まれてモテモテな"王子"を見ていたら、
私なんかに到底叶う人じゃない、って遠くから見るだけになっていた。


