「なな起きて、学校着いたっ」

「ほえ‥」



目を開けると、目の前に優くん。



「うぎゃあっ!」

「ちょ!落ちるよ!」



意識を取り戻し、じたばたする私。
お姫様抱っこから落ちそうになる私を、優くんがゆっくり下ろしてくれた。



「ありがとう‥」

「ヒソヒソ‥ほんとだ‥ヒソヒソ‥あの子誰なわけ?!‥」

「?」



優くんにお礼を言うと、どこからともなくヒソヒソ話が聞こえてきた。



「ななって子らしいよ‥」

「なんなのあの子!!!!」



見渡すと、周りの生徒達がヒソヒソ話をしながらざわついていた。



「行こっ♪」



そんなことを気にもせず、優くんは校内へ歩きだす。



「(もう噂になってるんだ‥優くんってやっぱりすごい人気なんだなあ‥それにしても、私、優くんの彼女だと思われてるんだよね‥?)」



優くんの人気さを改めて実感するも、"フリ"でも周りから私と優くんが付き合ってると思われていることに優越感を覚える私。