「昨日、沙耶子を襲ったのはお前か!?」
「ああ」
「まさか……あの日、沙耶子が屋上から落ちたのも、何か関係があるのか!?」
光圀はにたりと吊り上げた両方の頬を下ろし、目をぱっちりと開いて僕を見る。
「ああ、あれは……僕が落としたんだ。沙耶子ちゃんの中学時代、繫華街のゴロツキに沙耶子ちゃんをレイプさせる様に仕向けたのも僕」
「……!?」
「抵抗する沙耶子ちゃん。可愛かったなあ……。繁華街の裏にいる連中は金や薬を渡せば何でもしてくれる。それに運が良かったよ。屋上から飛び降りた日、沙耶子ちゃんには身内がいなかったから、警察の捜査も手薄だった。先生も皆、自殺って決め付けていた。その後だよ。顔を変えたのはね。本当に近頃は便利だよねぇ」
光圀はポケットから紙の包みを取り出した。
「覚醒剤。繁華街の路地裏とかで流行ってるんだ。飢えてる奴には、かなり高く売れるんだよ」
手に持っていた紙の包みを舌で舐め取る様に、光圀はそれを丸ごと飲み込んだ。
やがて、口からは涎がこぼれ不気味に笑い始める。
「そんな事を繰り返して、顔を変えたって訳か……」
「そうだよ。どうだった? 僕の顔を見て、その後に君の顔を見た、沙耶子ちゃんの表情はぁ!?」
沙耶子は……こんな奴に……。
「お前が……沙耶子を……沙耶子をぉ!!」
僕は光圀に飛び掛かり、胸倉を掴む。
言いたい事があり過ぎて、何を言ったら良いのか分からず、ただ光圀を睨み据えた。
「何だよ? 僕が憎いのか?」
「……」
「殺せよ。ここで僕を生かしたら、次は何をするか分からないぞ。ほら、殺してみなよ。殺せよ‼」
拳を強く握り、光圀の顔面へ真っ直ぐに打ちつけた。
顔を押さえて数歩後ずさる。
「なんだよ……これだけか? まったく、これじゃあ、死ねないよ」
そう言って、光圀は手を広げて笑って見せる。
「ああ、そうか。お前に人を殺す様な度胸なんてないよな!? 親が死んだくらいで、あれだけ動揺していたんだから。沙耶子ちゃんに抱き付いて泣いたりして、馬鹿じゃねえの!」
本気で、光圀への殺意が湧いて来た。
僕は彼の首に手を掛け、床に倒す。
「ああ」
「まさか……あの日、沙耶子が屋上から落ちたのも、何か関係があるのか!?」
光圀はにたりと吊り上げた両方の頬を下ろし、目をぱっちりと開いて僕を見る。
「ああ、あれは……僕が落としたんだ。沙耶子ちゃんの中学時代、繫華街のゴロツキに沙耶子ちゃんをレイプさせる様に仕向けたのも僕」
「……!?」
「抵抗する沙耶子ちゃん。可愛かったなあ……。繁華街の裏にいる連中は金や薬を渡せば何でもしてくれる。それに運が良かったよ。屋上から飛び降りた日、沙耶子ちゃんには身内がいなかったから、警察の捜査も手薄だった。先生も皆、自殺って決め付けていた。その後だよ。顔を変えたのはね。本当に近頃は便利だよねぇ」
光圀はポケットから紙の包みを取り出した。
「覚醒剤。繁華街の路地裏とかで流行ってるんだ。飢えてる奴には、かなり高く売れるんだよ」
手に持っていた紙の包みを舌で舐め取る様に、光圀はそれを丸ごと飲み込んだ。
やがて、口からは涎がこぼれ不気味に笑い始める。
「そんな事を繰り返して、顔を変えたって訳か……」
「そうだよ。どうだった? 僕の顔を見て、その後に君の顔を見た、沙耶子ちゃんの表情はぁ!?」
沙耶子は……こんな奴に……。
「お前が……沙耶子を……沙耶子をぉ!!」
僕は光圀に飛び掛かり、胸倉を掴む。
言いたい事があり過ぎて、何を言ったら良いのか分からず、ただ光圀を睨み据えた。
「何だよ? 僕が憎いのか?」
「……」
「殺せよ。ここで僕を生かしたら、次は何をするか分からないぞ。ほら、殺してみなよ。殺せよ‼」
拳を強く握り、光圀の顔面へ真っ直ぐに打ちつけた。
顔を押さえて数歩後ずさる。
「なんだよ……これだけか? まったく、これじゃあ、死ねないよ」
そう言って、光圀は手を広げて笑って見せる。
「ああ、そうか。お前に人を殺す様な度胸なんてないよな!? 親が死んだくらいで、あれだけ動揺していたんだから。沙耶子ちゃんに抱き付いて泣いたりして、馬鹿じゃねえの!」
本気で、光圀への殺意が湧いて来た。
僕は彼の首に手を掛け、床に倒す。

