「あの……」
「未だに……迷っているんだ。まだ部活も辞めていないし。それに、父さんは、僕がこんな事をしていると知らない」
「好きにすれば良いんです」
「え?」
キョトンとした顔で私を見る。
「したくない事はしなければ良いんです。無理してする事はないんです」
「でも……」
「いっその事、バシッと言ってやりましょうよ。もう、部活には行かないって。はっきりと」
宮村先輩は涙を拭う。
「……ありがとう。僕は、僕のしたい様にする。そんなに簡単な事じゃないんだけど、頑張ってみるよ」
「その息ですよ!」
その後、宮村先輩一人だけでは、なんだか不安なので彼を家まで送って行く事にした。
そういえば、二人で帰るのは初めてだ。
先程までオレンジ色だった空は、完全に暗くなっていて、微かに雪が降り始めていた。
道を照らす所々に備え付けられた街灯が、降って来る雪をキラキラと照らしている。
「すまないな。先輩の僕が君に迷惑を掛けてしまったみたいだ」
「いえ、そんな事ないです。私は好きでこうしてるんですから」
そう言って、宮村先輩の手を握った。
「……?」
「寒いですから……」
手袋をしていない互いの手は、温かい体温を直に感じ取る事が出来た。
宮村先輩も私の手を握る。
彼の温かい手。
握っていて、なんだか安心した。
「平野さんは偉いな」
「何がですか?」
「何て言うのかな……」
頬をポリポリと掻きながら、照れた口調で言う。
「平野さんには、僕にはない何かがある。……その、大人らしさっていうのかな……」
「大人らしさ?」
宮村先輩はそっぽを向いた。
「ああ、すまない。なんだか、恥ずかしい事言ったかもしれない」
なんだか、宮村先輩が可愛い。
「未だに……迷っているんだ。まだ部活も辞めていないし。それに、父さんは、僕がこんな事をしていると知らない」
「好きにすれば良いんです」
「え?」
キョトンとした顔で私を見る。
「したくない事はしなければ良いんです。無理してする事はないんです」
「でも……」
「いっその事、バシッと言ってやりましょうよ。もう、部活には行かないって。はっきりと」
宮村先輩は涙を拭う。
「……ありがとう。僕は、僕のしたい様にする。そんなに簡単な事じゃないんだけど、頑張ってみるよ」
「その息ですよ!」
その後、宮村先輩一人だけでは、なんだか不安なので彼を家まで送って行く事にした。
そういえば、二人で帰るのは初めてだ。
先程までオレンジ色だった空は、完全に暗くなっていて、微かに雪が降り始めていた。
道を照らす所々に備え付けられた街灯が、降って来る雪をキラキラと照らしている。
「すまないな。先輩の僕が君に迷惑を掛けてしまったみたいだ」
「いえ、そんな事ないです。私は好きでこうしてるんですから」
そう言って、宮村先輩の手を握った。
「……?」
「寒いですから……」
手袋をしていない互いの手は、温かい体温を直に感じ取る事が出来た。
宮村先輩も私の手を握る。
彼の温かい手。
握っていて、なんだか安心した。
「平野さんは偉いな」
「何がですか?」
「何て言うのかな……」
頬をポリポリと掻きながら、照れた口調で言う。
「平野さんには、僕にはない何かがある。……その、大人らしさっていうのかな……」
「大人らしさ?」
宮村先輩はそっぽを向いた。
「ああ、すまない。なんだか、恥ずかしい事言ったかもしれない」
なんだか、宮村先輩が可愛い。

