僕はその手を握った。
「沙耶子、君は最低でもなければ、汚れた女でもない。君は君だ。だから、僕は君が目を覚ますのを待ち続ける。十年でも二十年でも、それ以上でも待ち続ける。君が目を覚ますまで……」
 彼女の寝顔は、とても穏やかで幸せそうだった。