制服姿からしても、明らかに女子高生。
 深夜0時に、たった1人で歩道橋の上。
 絶対に関わらない方が良い―――と、僕の凡人センサーが、激しく警鐘を鳴らす。


「ちょっと待ってよ!!」

 無視して通り過ぎようとする僕の前に、少女が走ってきて回り込む。


 何なんだよ・・・
 訳が分からない事に巻き込まれたくはないんだ。

 平凡過ぎると言わても、印象が薄いと言われても、僕はハプニングには無縁の人生を送ってきた。
 付き合いが悪いと言われても、恋愛対象に思われなくても、それこそ独りになろうとも、僕は当たり障りの無い人生を過ごしたいんだ。


「無視すんな!! 決めたって言ったでしょ!!」

 尚も聞こえないフリをする僕に、少女はさっきよりも大きい声で詰め寄ってくる。

「聞いてってば!!
 大事な話なんだから、聞かないと絶対に後悔するよ!!
 あ・・・聞いても後悔するけどね」


 意味が分からない。

 しかし、執拗な少女に観念した僕は、仕方なく話しを聞く事にした。