「アッちゃん」

 デジャヴの様に展開される出来事。

「私が助けを呼んできてあげるよ。大丈夫、心配しないで」

「アッちゃん、何で泣いているの?
 大丈夫、絶対に助けてあげるから、ね」


 涙が止まらない。
 情けない程、嗚咽を伴って泣いた。

 あの時の俺には、彼女の存在が一体何なのか分からなかった。いや、何だって構わなかった。それはもちろん今も変わらない。でも・・・
 でも、今の俺には彼女の想いが分かる。それを考えると、どうしようもなく泣けてくる。


「アッちゃん、外はもう夜だから。そろそろ行くね」

「今度こそ・・・」

「何?」

「今度こそ忘れないよ」

「ありがとう」