「何でよぅ、あの少し細マッチョな感じがかっこいいじゃん」

「菜々美、違うよ。あんたは先輩という肩書きに惑わされてるだけ」

「ち、違うもんっ」


そう…肩書きに惑わされてるだけ。

その時、楢崎さんがふと顔をあげて
こっちを見て
目があったような気がした。

その目にどきりとしたのも、ちょっとカッコいいと思ってしまったのも。

先輩だから、よく見えるだけ。