「岩がダメなら、

これでどうだ!!


エラボー《透過》」

幸大の言葉とともに車が魔方陣に包まれた。

「間に合え!」

幸大が言う。



タンッ、


岩が車に当たるより一瞬先に幸大たちが魔方陣に触れた。


スルッ、


岩が車を、

正確には車が岩をすり抜けた。


ドゴンッ、

岩は勢いを無くし落下した。

「ギリギリだが、間に合ったな。」

幸大が言う。

「すまない。

役に立てなくて。」

翡翠が言う。

「気にすんな。

俺もギリギリだったからな。

運が良かっただけだ。

とにかく一旦離れよう。」


幸大と翡翠は車に乗る。





移動中の車内


「悪いが、明日はお前たちは連れていけない。」

幸大が言う。

「どうしてですの?」

可鈴が言う。

「危険過ぎる。

今だってもう少しでお前らが最悪で死ぬところだった。」

「でも…」

奈々が言う。

「駄目だ!

はっきり言うが足手まといだ。


鬼のように相手から来るのは仕方がない。

だが、今回はこっちから出向くんだ。

そんな所にお前らをつれていくなんてできない。」


「…うん。

わかった。」

圭が言う。

「悪いな。」

「ううん。

私たちは何の力もないのは仕方がないことだし…

幸大も私たちを気遣ってくれてるんだもん。」

圭がまるで自分に言い聞かせるように言った。