「あの…ちんぷんかんぷんです。」


奈々が言う。


「簡単に言うなら、

さっきの鬼は翡翠を呼ぶことはできたが、


俺をベラトーラと呼んだ。


俺の真名は本名と同じく


幸大。


だがな、鬼は妖怪とは一線を画している。

真名を呼ぶことはできる。」



「でも…それは幸大の名前を知らなかっただけじゃありませんの?」

可鈴が言う。

「俺がマギア・ベラトーラと名乗ったのはお前たちと鬼の前でだけ。

さらに言えばお前らは俺のことをベラトーラとは呼ばない。


奈々以外は幸大と呼ぶだろ?


翡翠の名を呼ぶなら、俺もベラトーラではなく名前で呼ぶだろ?


つまり、


俺と翡翠の名を鬼の統率者に伝えたのは真名を呼べない奴だ。」


「じゃあ妖怪?」

圭が言う。

「かも知れない。

だから各自、周囲に対して少し位は警戒した方がいい。」

幸大が言う。


「何かあったらダーリンが助けてくれますよね?」

「一応はそのつもりだ。」

幸大が言う。