某所



「くっ!」

『俺たちを滅すると言ったのに、防戦一方か?』

「札が無いことを忘れていたとは…


いつもの私ならば冷静に札を補充することを忘れなかった。


札がないのも、冷静になれなかったのもアイツのせいだ!」


『何を言ってんだ!』

バキッ、

鬼が如月を殴り、吹き飛ぶ。


ガッ、

「今回はお前から抱きついてくるとはな…」

如月を受け止めたのは幸大だった。

「お前!?

な!?

馬鹿者!!

離れろ!!」


如月が離れた。

「さっきの独り言、全部聞こえてたぜ?

俺のせいとか抜かしやがったな?」

「その通りだ!!」

「ムキになんなよ。

責任くらい取ってやるからよ?」

「せ、責任!?

い、いったい何の責任をどうやって…」


「お前の代わりに、鬼退治だ。」

「止めとけ。

一般人には無理だ。」


「オブヴィウス《迎え撃つ》」

魔方陣が幸大を通過し服装が変わる。

「俺も、お前と同じく一般人じゃないんだよ。」


『貴様、あの方が言っていた…』

バキッ、

幸大が殴る。

『へぶっ!?

貴様、話の途中で…ぶばっ!?』

さらに殴る。


「さて、鬼が二匹。

如月は槍を使うんだよな?」

「だったら何だ…」