教室


「幸大、行ってきましたの。」

今日から通うことを職員室に報告しに行った姫が戻ってきた。

「何か言われたか?」

「特には言われませんでしたの。

それより、先ほど不思議な人とすれ違いましたの。」

「不思議な人?

どんな奴だ?」

「女性ですの。

なぜか周囲の人に避けられてましたの。」

「そんな奴、いたか?」

委員長に訊ねる。

「たぶん、心当たりがあるけど…」

「誰だ?」

「如月、翡翠さん…だと思う。」

「翡翠?

不思議な名前だな。

どんな奴だ?」

「さぁ?

ただ、あまり関わらない方が良いって聞いたんだけど…」


「…多分、あいつなら知ってんだろうな…」

「あいつ?」

「奈々だよ…」


「御呼びですか、ダーリン?」


「マジで来たのかよ。」

「ダーリンが私を呼びましたから!

…そう言えば、テナさんは?」


「テナはいつも学園にいるときは自由に動き回ってるわ。」

委員長が言う。

「奈々、如月翡翠ってどんな奴か知ってるか?

姫が不思議な奴だって言ってたが…」

「もちろん知ってますよ。

同じクラスですから。


まず、スゴく美人です。


でも…男子にも女子にもあまり人気ないですね。」