「攻撃力を高めるための炎じゃねぇんだよ。」

『炎で攻撃力など元から高まらないに決まっているだろう?

私に火傷を負わせただけでもなかなかのモノだ。』

「お前、何で炎が攻撃力高まるか知らないのか?」

『何?』

「こっちも遅刻しそうだから、次の一撃で決める。

もちろん、炎で攻撃力を高めてな。」

『私に殺されて終わるだけだ。』


「ちょっと、武器は変えるがな。」

剣が消えた。

「ザイン《大剣》」

幸大は魔方陣から大剣を取り出す。

「イグニス・ザイン《炎の大剣》」


ゴウッ、

炎を纏った大剣を構える。

「ジェットの推進力はハンパないよな?」

『何?』

「ジェットは炎の力で推進力を高める。

推進力はそのまま、攻撃力に変わる。


喰らえ!

リブロ《狙いを定める》」


ヴンッ、ヴンッ、ヴンッ、

幸大と敵の間に魔方陣が三つ現れた。


「プロカーサス《突撃》」

ヴンッ、ヴンッ、ヴンッ、

幸大が魔方陣を通過するごとに早くなっていく。


「ハァッ!」


ザンッ、

『ガハッ!?』

チリチリチリッ、

斬った場所が少しずつ焦げる。


「スサインド《滅ぼす》」

ボウッ、

炎が鬼を包み一瞬で灰へと化した。


「さて、学園に急ごうぜ。」

幸大たちがその場をあとにした。


「?

確かにここら辺から鬼の気配がしたのだが…」

巫女服の少女が呟いた。