「ほら。」

本を取る。

「ありがと。」

「『降魔術の方法』


…委員長ってオカルトに興味があるのか?」


「ないわよ。

ただ…」

「ただ?」

「信じてはいないけど、魔法が使えたら良いな…って思っただけよ。」

「何か悩みでもあんのか?」

「私だってあるわよ。

ただ、あんたに言っても無駄なだけ。」


グラッ、

「おっ…と。

ちゃんと椅子は押さえとけよ…」

「ご、ごめん。」




「ふぅ。

じゃ、俺は帰るかな…」

「あ、ちょっと、」

「ん?」

「この本、本棚に戻しといて。

本棚の場所はちゃんと背表紙を見てね。

じゃ、私はやることがあるから。」



「ちょっ、委員長…


ったく、

…眠いから早く帰って寝てぇのに。」









空き教室



「これでいいのよね?」


すでにそとは暗く、教師が見回りも終えた。


委員長は先ほどの本を見て床に魔方陣を描き、その他、色んなモノを用意して儀式を始めた。




ゴウッ、

魔方陣が光る。


「…。

呼んだかしら?」

現れたのは女性の悪魔だった。


「…嘘、本物!?」

「呼んどいてその態度は失礼よ?


あなた、名前は?」


「真藤、圭です。」