「オラァッ!」


バッ、

布団が剥がされた。

「追い詰めたぜ、委員長…」


「〜〜〜〜〜っ!」

「べつに、どんなことを言おうが怒らねぇからさ…」

「…知らなかったから。」

「何を?」

「あんたが魔法だとか、化け物と戦ったりとか、知らなかったから!」

「それと、拒絶の理由に何の関係が…」

「拒絶なんかしてない!

あんたが…、

あんたが私の知らないあんたになったから!


あんたが遠くて…

一人になったみたいで怖かったの!!!」



「…。」

幸大が黙る。


「委員長が知らない俺…って言うか、結局知ってんじゃん。

魔法が使えることも、鬼と戦ってることも。」

「…そういう問題じゃ、」

「ちなみに、

この事はお前しか知らないからな。

テナは悪魔だから人間では、な。」

「岡田…」

「それからさ、

俺が委員長に黙ってたのは…

委員長に拒絶されたくなかったからで…

だから、本当はさっきまでめちゃめちゃ泣きそうだった。」


「あんた、涙目よ?」

「マジか!?

…。

委員長はマジで泣いてるな。」


「な!?

み、見ないで!」

「じゃ、帰るかな。」

「あ…

岡田…昨日はありがとう。」

「あのさ、そろそろ名字で呼ぶのやめようぜ?」

「あんただって委員長って…」

「圭って呼びにくいし。

それに委員長の委員長っぽい感じが好きだし。」

「す、すす、好き!?」

「それじゃ、明日からは名字で呼ぶなよ?

じゃあな。」

幸大は帰っていった。