ガシッ、


幸大がテナを掴み、お姫様抱っこをする。


「…何だかすごく疲れたわ。

空も飛べないし、成功したのかしら?」


テナが言う。


「俺が失敗するとでも?」


「…。

ありがとう。」


「例より先に服を着たらどうだ?

お前は魔力で服を作ってたんだからな。」


テナは裸になっていた。


「まぁ、今さら裸でも私は構わないわ。」

「俺が構うんだよ!!」

「でも、アパートごと圭の服もなくなったし…」


テナが言う。


「お前ら…予備の服とか持ってないのか!?」

幸大が言う。

「そもそも、私の部屋が…」

圭が言う。

「私も余分な服はないですの。」

可鈴が言う。

「まぁ、普通の人は予備の服とか持ち歩いてないですよ。」

奈々が言う。


「巫女服ならあるが?」

翡翠が言う。

「翡翠、テナに貸してやってくれ。」


「仕方がない。

ほら。

大事に着ろ。」

翡翠の巫女服に着替える。


「どうだ?」

幸大が言う。

「まぁまぁね。」

テナが言う。

「不満があるなら着るな。」

翡翠が言う。

「取り合えずダーリンの部屋に行きましょう?」

奈々が言う。


「ねぇ。」

テナが幸大を呼ぶ。


「ん?

んっ!?」

テナがキスをする。

「な!?何すんだよ!?」

「お礼よ。

感謝してるわよ…幸大。」


テナが初めて幸大の名を呼んだ。