ツリーを見にいった日から数日。薫から連絡が入りました。
「おっは~、なあ、竜、雛がまたみんなで会いたいって言ってるけど、どうする?」
僕はその頃には弥生に会いたい気持ちが膨らんでいました。
もちろんみんななら弥生もいるはずだと思い、僕はOKしました。
「竜、ところでお前さ~。みんなじゃなくて、二人で会えば?」
二人…。
その薫の言葉に僕は敏感に反応しました。
弥生と二人の、
あのときの時間を思い出しドキッとしたのです。
「二人?」
僕は一応とぼけました。
それを見越したのか・・どうか・・
「ん~?、そっか~、じゃあさぁ~弥生と二人と雛と二人。どっちがいい~?」
薫はケラケラ笑いながら僕に言ったのです。
「おお!そうか!!」
僕が返事をする前の、いきなりの薫の大声でした。
「お前さ~、弥生と会え!意外にお似合いじゃん?で、女心を一度教えてもらえよ」
「なんだそりゃ?」
「なんだじゃねーよ、お前は経験不足なの!で、俺は雛と会ってお前への気持ちを聞いてきてやるよ」
「・・まったく、お前が雛に会いたいだけじゃんか」
「よっしゃ~、決まりね。また連絡するわ」
何がどう決まったんだか、薫のはずんだ声でそのまま電話は切れました。
だけど・・・。
どうやら弥生とまたデートできるようです。
もちろん僕の胸は高鳴りました。

その夜、僕はノートを開いたのです。