「遅くなってごめんね!」
そう言って、明るい茶髪の人が咲の前に座った。
咲はこの人が好きなのか…。
確かに、咲のタイプそう。
あたしは全然、タイプじゃないけど。
すると、すぅっとあたしの前には、咲の好きな人の友達が座った。
黒髪に長身で、黒渕の眼鏡をかけている。
そして無愛想な顔――…。
この人も無理矢理連れて来られたかと思うと、可哀相でならない……。
急に、茶髪の人があたしの方を見た。
「結菜ちゃん、だよね?俺、裕也(ユウヤ)。よろしくね!」
「あ、はいっ。よろしく…」
ずいぶん爽やかな人だなあ…
眩しいです。爽やか過ぎて。
「隼人(ハヤト)無口なだけだから勘違いしないでやってな」
その後にごめんなっと付け足して言う。
咲はそうなんだーなどと言って2人で話し出した。
ちらっと見ると、隼人と呼ばれる人は頬杖をついてどこかを見ていた。

